本を登録したり、図書館や書店で探したり、ネットで買ったりする時に、「ISBNを入力してください」と言われて、戸惑ったことはありませんか?
私も、読書記録アプリ「ブックホーム」を作るまでは、ISBNをあまり意識していませんでした。本にはバーコードが付いているのだから、どの本でも、同じように読み取れば情報が出てくると思っていたのです。ところが、実際に作ってみると、そう単純ではありませんでした。
この記事では、ISBNがどこに書いてあるか、13桁の数字は何を表しているのか、そして「バーコードを読んだのに、本が出てこない」時の対処まで、順番にお話しします。
📘 ISBNとは?本の「背番号」のようなもの
ISBNは「国際標準図書番号」と呼ばれる、本を1冊ずつ見分けるための番号です。世界中の本が、番号で区別できるようになっています。
同じタイトルの本が複数あったり、同じ作品でも単行本と文庫があったりするので、番号で確実に見分ける仕組みが使われています。書店の在庫検索、図書館の蔵書検索、ネット書店、読書記録アプリなどは、このISBNをキーにして、タイトルや著者、表紙画像などを探しています。
🔍 ISBNは、本のどこにある?
場所は、主に2か所です。
- 裏表紙(カバーの裏側)のバーコードの付近:バーコードの上や横に、「ISBN978-4-…」のように印字されています
- 巻末の奥付(おくづけ):本の最後のほうにある、出版社名や発行日が書かれたページです
まず裏表紙を見て、見当たらなければ、奥付を探してみてください。
🔢 13桁の数字は、何を表している?
現在のISBNは13桁で、次のようなかたまりでできています。区切りの位置は本によって違うので、目安として見てください。
| かたまり | 意味 | 例(日本の本) |
|---|---|---|
| 最初の3桁 | 書籍を表す接頭記号。978または979 | 978 |
| 次の1桁〜 | 国・言語圏。日本語の本は「4」 | 4 |
| 次のかたまり | 出版者(出版社)を表す番号 | 出版社ごとに異なる |
| 次のかたまり | その出版社の中での、書名ごとの番号 | 本ごとに異なる |
| 最後の1桁 | チェックデジット(番号の誤りを見つけるための数字) | 0〜9 |
日本の本に「978-4」が多いのは、「978」が書籍、「4」が日本語圏を表しているからです。
図にすると、こんな並びです。
チェックデジットの計算
いちばん最後の1桁は、入力ミスや読み取りミスに気づくための数字です。計算のしかたは次のとおりです。
- 最初の12桁を、左から順に「×1、×3、×1、×3……」と交互にかけ算する
- すべてを足す
- 合計を10で割った余りを、10から引く(結果が10なら0)
架空の番号「978412345678」で試すと、合計は126、10で割った余りは6、10−6=4。13桁目は「4」で、「9784123456784」になります(実在しない、説明用の番号です)。バーコードリーダーが、間違った番号をはじいてくれるのは、この仕組みのおかげです。
📚 バーコードは2段ある。ISBNは上段
日本の本の裏表紙には、バーコードが2段並んでいるものがほとんどです。ここで、よく混乱が起きます。
| 段 | 内容 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 上段 | ISBN(書籍を見分ける番号) | 978または979で始まる13桁 |
| 下段 | 分類コード(Cコード)と価格 | 192で始まる13桁 |
下段は、書店の販売や棚の管理に使われるもので、ISBNではありません。アプリで「読み取ったのに出てこない」と言う時の原因として、いちばん多いのが、この下段を読んでしまっているケースです。上段、つまり「978」から始まる側に、カメラを合わせてください。
💡 ポイント:アプリで読み取るのは、いつも「上段(978か979で始まる方)」です。
🤔 アプリを作って、「そうだったのか」と思ったこと
実際にアプリを作ってみて、気づいたことがいくつかあります。
読み取れない本も、けっこうある。 古い本、海外の本、バーコードが傷んでいる本などは、すんなりいかないことがあります。
同じ作品でも、ISBNは変わる。 出版社や版が違うと、番号が別になります。同じ本のつもりで探していても、別のISBNの本が出てくることがあります。
シリーズものは、タイトルだけだと混ざる。 特に子どもの絵本はシリーズが多く、タイトルだけで判断すると、別の巻と混同しやすいのです。ISBNなら、1冊ずつ確実に見分けられます。
この経験から、バーコードを読み取るだけでなく、「読み取れなかった時に、手入力できる」ことも、本の管理にはとても大切だと分かりました。
🙅 ISBNがない・見つからない本もある
すべての本にISBNがあるわけではありません。
- 雑誌:ISBNの代わりに「雑誌コード」がつくものが多いです
- 古い本:ISBN制度が始まる前の本には、番号がありません。10桁の番号の本もあります
- 自費出版・同人誌・地域の冊子:ISBNを取っていない場合があります
- 洋書:「978-0」「978-1」など、国や言語圏で、番号の始まりが変わります
🔧 読み取れなかった時の確認順
文字で書くと、次のとおりです。
- 上段(978か979で始まる方)を読んでいるか確認する
- 暗い場所や、カバーのツヤの反射を避けて、角度や明るさを変えてみる
- 13桁の数字を、手入力してみる
- 新刊や古書で未登録のこともあるので、タイトルで検索する
- それでも見つからなければ、手入力で登録する
ISBNの仕組みが分かると、本の整理も買い物も、ぐっとラクになります。バーコードで本棚を管理したい方は、「同じ本を二重買いしない方法」もあわせてどうぞ。